【コラム】AIが「NVIDIA」を推す一方で、IT企業勤務の私が「NTT」を買い増す理由。

コラム・雑記

本ブログの企画では、AI(Gemini)の指示に従って米国ハイテク株への積立を行っています。 AIは「直近の成長率」や「市場トレンド」を重視し、合理的かつ攻撃的なポートフォリオを提示してきました。

一方で、私個人のプライベート口座では、全く異なる性質の銘柄を主力としています。 日本の通信最大手「NTT」です。

「新NISAで人気の高配当株」として知られていますが、最近の株価は軟調です。AIも現時点では投資対象として選びませんでした。 それでも私がNTTを保有し続けるのは、単なる配当目当てだけではありません。IT業界に身を置く人間として、NTTが掲げる「IOWN(アイオン)構想」という技術に、長期的な可能性を感じているからです。

今回は検証報告の番外編として、私が個人的に注目している技術と、NTTへの投資スタンスについてまとめてみます。

世間一般の「NTT」のイメージ

多くの投資家が持つNTTの印象は、概ね以下のようなものでしょう。

  • 高配当ディフェンシブ株: 景気変動に強く、安定したインカムゲインが得られる。
  • 国策銘柄: 政府が大株主であり、倒産リスクが極めて低い。
  • 値動きが重い: 大きく下がりもしないが、テック株のような急騰も期待できない。

この「堅実で地味なインフラ企業」という評価は間違いではありません。 しかし、技術的な側面を見ると、少し違った顔が見えてきます。

IOWN構想と「電力問題」

私が注目しているのは、NTTが提唱するIOWN(Innovative Optical and Wireless Network)構想です。 技術的な詳細を省いて概要を述べると、「電子回路(電気)で行っている処理を、光に置き換える(光電融合)」という取り組みです。

これが実現すると、以下のメリットが生まれるとされています。

  • 超低消費エネルギー: 電力効率の大幅な向上(目標値は100倍)。
  • 超大容量・超低遅延: データの伝送容量や速度の劇的な改善。

AI発展のボトルネックを解消するか

現在、生成AIの普及に伴いデータセンターの消費電力が急増しています。 「電力不足」がAI進化の物理的な制約になりつつある今、電気信号を光信号に変えることで消費電力を抑えるこの技術は、業界全体のブレイクスルーになる可能性があります。

NTTはこの「光通信」の分野において、1977年の光ファイバ実用化から40年以上の技術蓄積があります。

なぜ株価に反映されないのか

高い技術力を持ちながら、足元の株価が振るわない理由は複合的です。

1. 財務・需給の懸念

  • 政府保有株の売却懸念: 防衛費財源としての売却議論があり、需給悪化が警戒されています。
  • 先行投資フェーズ: ドコモの通信品質対策やIOWNへの研究開発費がかさみ、直近の利益を圧迫しています。

2. ビジネス化への不信感

投資家の多くは「技術はすごくても、商売に繋がるのか?」という点を懸念しています。 過去、i-modeなどで先行しながらスマホ時代に覇権を取れなかった経験もあり、「IOWNも標準化できずにガラパゴス化するのではないか」「どうやってマネタイズするのか」という不透明感が拭えていません。

NTT側もそれを理解しており、IntelやSonyなどと「IOWN Global Forum」を設立して国際標準化を進めていますが、成果が数字として表れるのはまだ先の話です。

私の投資スタンス:割の良い「待ち」

上記の懸念はもっともですが、私は今のNTTを「ダウンサイド(損失リスク)が限定的なテック投資」と捉えています。

  • 守り: 配当性向は40%台と無理のない水準で、長年の増配実績がある。株価が低迷しても配当インカムは計算できる。
  • 攻め: もしIOWNが世界標準になれば、通信インフラの根幹を握る企業として再評価される可能性がある。

失敗しても配当をもらいながら待てますし、成功すれば大きなキャピタルゲインが狙えます。 AIが選ぶ「今、数字が出ている企業(NVIDIA等)」とは対照的ですが、長期で持つには非常に合理的な銘柄だと考えています。

まとめ

AI(Gemini)は今の覇者である米国ハイテク株を選び、私は未来のインフラ転換を狙ってNTTを選びました。

  • AI投資: 成長力重視(キャピタルゲイン狙い)
  • 個人投資: 堅実性+将来技術(インカム+α狙い)

アプローチは真逆ですが、両方の視点を持つことで、バランスの取れた資産形成ができると考えています。 AI投資の検証を続けつつ、この「地味な日本株」の行方も長い目で見守っていきます。

※本記事は公開情報に基づいた個人の考察であり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資は自己責任で行ってください。

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